ミュシャ画集の選び方


どの画集を買おうか迷ったときの参考になれば幸いです。
画集コーナーと見比べながら読むとわかり易いです。


まず一番にお勧めなのは三省堂「ミュシャ作品集」。収録点数も多く、印刷も綺麗です。
一部の図版が小さいのが難点といえば難点。あと、ちょっと高めです。(\5,000弱)
ポスター以外の作品もいろいろ載っていてミュシャの絵について全般的に知りたい方は必見。
解説の文章も読み応えがあります。
*2004年9月に新装版が出版され、お値段もお求め安くなりました。(\3,000)

もう少しお手頃なものをと思う方には講談社「レンドルコレクション」。約\3,000。
印刷がイマイチな気がしますが、図版が大きくメジャーどころが揃ってます。
また、三省堂のものとは違って、ポスターや装飾パネル中心の収録となっています。
パリ時代の華やかな作品だけで十分という方にはおすすめです。
一部モノクロ頁もあり、ちょっと物足りないなあと思うところもありますが。
私が最初に買った画集はたぶんこれだったと思います。

ミュシャだけでなく、当時のパリにも興味があるなら、学研「ミュシャとパリ」
これも\3,000くらいで、ミュシャとは関係ない記述も多いですが、読み物が多くて、
それなりに絵も楽しめて、ミュシャの周辺事情を知ることができます。
「鑑賞」目的よりは、「情報」を求める方にいいと思います。

三省堂のに比べると画質や数量は劣りますが、初期の作品から晩年の作品まで
網羅してるのが、割と最近に出版された講談社「波乱の生涯と芸術」。\3,000。
三省堂のが手に入りにくい場合はこれにするってのもありかなと思います。
散々画集を集めまくった後に出たものなので私的にはイマイチ感動が薄いのですが
そうでない人にはなかなかいい画集かもしれません。入手も容易だし。

それでも予算がちょっと・・・という方には、更にお手軽に\1,000〜\2,000のものが
幾つかありますので、順に紹介します。

小学館「アールヌーヴォーの美神たち」はA5サイズながら収録されている図版もいいし、
文章もわかり易くて、「ミュシャ入門書」として使える内容なんじゃないかな、と思います。

TASCHEN「アールヌーヴォーの勝利」は一応洋書だと思うのですが日本語版もあり、
普通の本屋でもときどき見かけます。文章は少なめですが、図版は基本を押さえてます。

六耀社「アルフォンスミュシャ」は半分以上が装飾資料集・装飾人物集に割かれていて、
ポスターファンには物足りないかも。
資料集に興味がある人には使えるのかな、という感じです。

講談社「夢想」は絵の一部を切り取って掲載しているものが多いのであまり感心しません。
でもまあ装丁は綺麗なので、趣味に合う人にはいいかも知れません。
画集として楽しむというより、与謝野晶子の歌と合わせて雰囲気を楽しむものかな、と思います。

とりあえず国内の出版物で手に入りやすいものを比較して紹介してみました。
洋書や絶版モノにもいい画集はありますが、きりがないので割愛します。

とまあ、こんな感じで、どういう内容を求めるかで、どの本がいいかは違ってきます。
独断と偏見ですが、「ミュシャ作品集」と「レンドルコレクション」は基本だと思います。
それがダメなら、少なくとも「アールヌーヴォーの美神たち」は持ってるといいと思います。
あとは、予算と嗜好に合わせて選んでください。
それぞれの本について詳細は画集コーナー参照のこと。

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